2023年05月17日
地震大国、日本。
5月に発生した地震とその被害について紹介します。
瓦屋根の地震被害と今後の対策も、この機会に知っておきましょう。
5月5日、石川県能登地方を震源とするマグニチュード6.3の地震が発生しました。
震度6強 珠洲市
震度5強 能登町
震度5弱 輪島市
国土交通省「災害・防災情報」第11報(12日現在)によると
建物倒壊は、全壊 15 棟(石川 15(珠洲市 15))、半壊 13 棟(石川 13(珠洲市 13))、一部破損 514 棟(石川 514(金沢市 1、輪島市 1、珠洲市 512))
となっています。
5月11日の4時16分ごろ、千葉県南部を震源地とする、最大震度5強、マグニチュード5.4の地震を観測しました。
5月12日の21時45分ごろ、愛媛県南予を震源地とする、最大震度3、マグニチュード4.2の地震を観測しました。
山口県東部は震度2、山口県中部は震度1を観測しました。
地震が起こると、建物が倒壊し、屋根から瓦が落下するイメージをお持ちではないでしょうか。
これは、地震により、古い工法で施工された瓦屋根の棟部が脱落しているのです。
具体的には、「葺き土の粘着力だけで維持されている」工法です。
施工直後は葺き土の粘着力が強いので問題ないのですが、経年で葺き土が乾燥し、ひび割れなどが徐々に発生していきます。
震度5以下の地震では、それでも問題はないのですが、巨大地震の揺れでは、建物と棟部分の葺き土がはがれてしまいます。
やがて、建物の揺れに棟部が追随できず、脱落。
葺き土の粘着力だけに頼った工法が、脱落を起こす原因となっています。
以上の被害をふまえ、現在では、巨大地震でも脱落しないように、建物と連結する耐震性の高い施工方法「ガイドライン工法」が確立されています。
「ガイドライン工法」では、棟部が建物と金物で緊結されているので、瓦が脱落することはありません。
新築の瓦屋根は耐震性が高いので、ご安心ください。