2022年06月22日
石州瓦の出荷が5年ぶりに増加!その背景は?
日本三大瓦と呼ばれる「石州瓦」「三州瓦」「淡路瓦」。
このうち、江津市、浜田市、大田市の6事業者が生産するのが「石州瓦」です。
石州瓦の2021年度の出荷枚数が、5年ぶりに増加したことが分かりました。
(中国新聞 参考)
目次
①石州瓦の製造工程
かつては多くの面積と人海戦術で、職人の勘と経験に頼っていた工程も、現在は近代的な工場の中で、ほぼ自動コントロールされた製造プラントで造り出されています。
管理はコンピューターで行い、安定した品質の製品が、安定された量、生産されています。
②石州瓦の特徴
「とにかく固くて丈夫」
瓦職人の間で語り継がれてきた言葉です。
ではなぜ石州瓦は固くて丈夫なのでしょう。
その理由は、1300度にもなる焼成温度にあります。
焼成温度は、れんがが800~900度、セラミック瓦が800~1100度(一般的に、セラミック製品は、焼成温度が高いほど高品質といわれています)。
耐火度の高い陶土を1200度以上の高温で焼成することで、品質の高い優れた石州瓦が造り出されるのです。
石州瓦と、他産地の瓦の焼成温度を比べてみると、他産地が970~1150度に対し、石州瓦の焼成温度は1200度以上。
石州瓦の、品質の優位性を支えているのは、この焼成温度にあります。
「石州瓦工業組合」HP 参考
③屋根を取り巻く世界的な現状
この1年で値上げが続く日本。
屋根材メーカー大手企業が、7月1日出荷分から屋根材、壁材を再度10~15%の値上げという情報も。
その他の屋根材や副資材のメーカーでも値上げが続いています。
特に金属製品は、毎月のように価格改定されているものもあります。
これらの動きは、海外でコロナワクチン接種が進み、経済が復活し、世界的に資源価格が高騰していることが挙げられます。
その結果、日本への輸入価格が大きく上昇。
原油高が、さらに追い打ちをかけているという状況が続いています。
世界的な消費が伸びる中、ウクライナ戦争によってさらに資源価格が高騰。
世界経済が上向いているというのに、日本は経済が低迷し、円安も進行中です。
石州瓦も、高温で焼成するための燃料費、輸送の燃料が高騰。
昨年、各社が値上げを発表しましたが、今後もウクライナ侵攻でさらなる値上げも予想されるそう。
同時期の新築着工件数は減少していましたが、翌年度以降の駆け込み需要を想定し、今回の出荷枚数増加へとつながったとみています。
今後も屋根材価格の上昇が続き、工事価格も上がっていくと思われます。
屋根に不安がある人、工事を考えている人は、早めに工事をしたほうがよいでしょう。