2022年09月16日
木造や茅葺き 建築業界にサステナブル!
アリーナ、スタジアムといった規模の大きな建造物や公共建築に、近年、木質・木造化がなされ、注目されています。
再生可能な木材は、循環型社会、SDGsの観点からも関心が高まっています。
木材需要を高め、林業を振興させようという政府の意向から「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」も施行されました。
林野庁HPより
木材利用促進本部は、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に基づき、令和3年10月1日に、「建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」を定めました。今後、この基本方針に基づき、政府一体となり、建築物における木材の利用を促進していきます。
具体例を紹介します。
①国立競技場
国立競技場は、2019年11月に東京都新宿区霞ヶ丘町に完成。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のメインスタジアムとして使用されました。
屋根や軒庇、建物全体に木材を取り入れた構造になっています。
日本の持つ多様性を見せるために、軒庇には、全国46都道府県で伐採された杉の木を使用。
サステナブルと多様性が共存した建物は、人手不足、高額な機械、林道整備の遅れ、近代化の遅れなど、日本の林業の抱える課題を考えるきっかけとなっています。
②高層純木造耐火建築物「Port Plus」
ゼネコン大手の大林組が、全ての地上構造部材(柱、梁、床、壁)を木材とした、高層純木造耐火建築物「Port Plus」を神奈川県横浜市に建設しました。
全ての構造部材を木材とする純木造建築が、さらなる木材利用促進につながると考え、「これからの知を育む場」をコンセプトとした自社の次世代型研修施設として建設。
純木造耐火建築物としては、国内最高となる高さ44m(11階建て)を誇ります
建築物への木材利用は、CO2を長期間固定することから「脱炭素社会の実現」に貢献。
また、「使う・植える・育てる」という循環型経済の観点からも注目されています。
(大林組 プレスリリース参考)
③ヨーロッパで茅葺き屋根
オランダやデンマークでは、茅葺き建築が多く見られるそう。
茅は、屋根材として使用され、新たに葺き替えられた後は肥料となることから、リサイクルが可能な、環境に優しい材料。
環境問題に敏感な国では、今後茅葺きが広がっていきそうです。
建築業界にサステナブルが浸透しつつあります。
公共の建物だけでなく、個人の住まいにもサステナブルな建築が増えていけば、住環境はさらに豊かになっていくでしょう。
今後の建築業界に注目しましょう。